「路の光」
119号より

小学校教諭
井川 英二


 新しくなった玄関ホールに第一回から今年の第四十回の入学記念写真が掲示されています。古い入学式の写真には、すでに社会人として活躍している卒業生の幼い頃の顔が…。よく見ると在校生のお母さんのお顔も見ることが出来ます。四十年たっても面影はしっかり残っているものです。
 在校生の子ども達は自分や友達の写っている写真を興味深そうに見ていますが、教職員の若い頃の写真には
「これは校長先生?これは白川さんなの?」「今と全然違う!」
とちょっとした驚きの声が上がっています。今と違うのは当然なのです。四十年の歳月はそんなに短いものではないのですから。

 開校当時の先生方のお写真を見ていると、これから始まる北陸学院小学校の歩みに理想や夢だけでなく、キリスト教教育をこの地に根付かせようとする使命と気迫のようなものを感じます。このことは時代を越え、現在も継承しなければならないことですし、北陸学院小学校の存在する意味が問われる時、たえずこの原点に立ち返らなければなりません。

 四十枚の入学写真を前にして、天に召された先生方を思い出しました。 子ども達を愛し、優しい笑顔でいつも礼拝で動物の話をしていた村尾校長。先生の金沢にキリスト教を伝えたトマス・ウインの話には感動しました。

 機関車のようにいつも先頭に立って教職員を引っ張ったロバートソン校長。宣教師だった先生は病の中にあってもキリストを伝える使命を最も大切にされ保護者や子ども達にその生涯を通してその最期の時まで福音を語られました。

 歴史を振り返るとき小学校の存続を危うくする問題が起こったとき、いつも小学校を温かく見守ってくださった番匠院長。院長が職員室で教職員一人一人がその置かれた場にあって強く使命感を持つようにと語られました。この日のことを今も反芻しています。

 小学校の歴史を通して今の時を見るとき、この三人の先生方以外にも沢山の先輩の方々の働きを決して忘れることが出来ません。児童数の減少、財政危機、三小牛移転など様々な問題を乗り越え今に至っているからです。

 時代が変わり新しい世紀が目前になってきました。親と子、教師と児童の関係も過去と比べ随分変化してきました。教師という仕事も質や量においてもますます増えています。以前には無かったような難しい問題に直面することも度々です。しかし、幸いなことは一つあります。私たちが常に多くの先達の方々の祈りによって支えられていることです。そして私たちが常に使命感をもって仕事をなしているということでしょう。

 さて私自身が入学記念写真に登場するのは第十六回の入学式からです。大学を出たばかり新米先生は何とも頼りない顔をしています。かといって今が頼りがいのある顔か、はなはだ疑問の残るところですが。


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