インタビュー

社会学科

学ぶことの喜びと好奇心が、社会での貢献に繋がると信じています
若杉 亮平 准教授

Interview

先生の専門の学問分野はどのような学問ですか

図書館情報学という学問分野を専門としています。図書館という存在を軸にして、図書館がいかに情報やサービスを提供するかという図書館学という側面と、「情報そのもの」に着目して情報の諸相を検討する情報学という2つの領域が統合した学問分野です。

自分の専門はどちらかというと、情報学寄りで根源的な興味や疑問としては「情報ってなんだろう?」という問いです。その他には情報と安全保障の関わりについても興味があり、安全保障情報という概念と検討しています。

ちなみに北陸学院大学の社会学部では司書課程として図書館情報学に関わる科目が配置されています。

若杉 亮平 准教授

Interview

先生が専門分野を学ぶようになったきっかけ、出会いのエピソードをおしえてください

実家の近くに市立図書館があり、幼少期に親に連れて行ってもらったことを契機に図書館に親しみを抱くようになったのが、一つのきっかけだと思います。高校時代、進路を考えたときメジャーな分野では面白くないな、というマイナー好きの性格と、偶然実家の近くに図書館情報学を学べる大学があったことから、司書を目指して図書館情報学を学び始めました。

結果としては大学で研究の面白さを知って、司書ではなく大学教員を目指すことになります。大学教員を目指したのは、大学でのゼミ教員(師匠だと思っています)との出会いが大きいですね。何せその師匠と研究の話や雑談をするのが楽しくて、自分には司書よりもこちらの方が向いているのでは?と思って大学教員の道を選びました。

Interview

地域の課題と学びがどのようにつながっているかを教えてください

公共図書館は日本全国、あるいは全世界に存在しています。また、公共図書館の存在理念の中に、「皆に情報へのアクセスを保証する」というものがあります。図書館情報学自体は地域固有の課題に直接的な解決のアプローチをするような学問ではありません。しかし、地域で司書を目指す人を養成し、そして司書を目指さなくとも図書館の存在意義を知り、活用法を身に着けた人材を育成することに価値があると考えています。

Interview

学びが社会に出てどのように役に立つかを教えてください

まず、そもそも学問を「役立つ」「役立たない」という切り分け方をすること自体がナンセンスだと考えています。特に大学での学びは、基礎教育を超えた内容をしているわけですし、短絡的に役立つから学ぶという話ではないと思います。

司書になりたいから図書館情報学を学びたいというのは立派な考えだと思います。でも、司書になりたいわけではないけど、図書館に興味があるから司書資格を取りたい、図書館情報学を学びたいというのも、それと同じ立派な考えだと思います。究極、学問は好きだから学ぶという姿勢が最も重要だと考えています。そして学ぶことの喜びと好奇心が、社会での貢献に繋がると信じています。

Interview

大学生に学んでほしいこと、アドバイスなどをお願いします

どのような分野を学ぶにしても、図書館という存在はぜひ活用して欲しいと思っています。もしその中で、図書館自体に興味があるという人がいたならば、ぜひ図書館情報学や司書資格も視野に入れてもらえたら嬉しいです。大学ではそれまでの人生で学んできた様々な知識や経験が求められ始めます。

それは図書館情報学や司書資格の学びでも同じです。情報検索のことを学べば、数学の集合の話が出てきますし、図書館のことを理解するには必ず歴史の話が出てきます。ぜひ高校までで学んだことを活かしつつ、いわゆる教養と呼ばれる部分を磨きながら、自分の好きなことを探求し、そして大学での専門教育・研究に臨んで欲しいと思います。

若杉 亮平 准教授