Interview
先生の専門の学問分野はどのような学問ですか
国語教育学です。言葉を通して、その言葉そのものをどう教えるかを追究する学問です。国語の授業は時代の変遷に伴い変わってきました。その中で変わるものと変わらないもの見極めながら、現代における「言葉の学び」の在り方を明らかにしていきます。
Interview
先生が専門分野を学ぶようになったきっかけ、出会いエピソードをおしえてください
大学生時代にアメリカ横断一人旅を体験したことがきっかけです。そこで、異なる言語を通して「つながる思い」と「つながれない思い」があることを実感しました。そして、それは同じ言語を使う者同士でも同じだと気づきます。では、言葉に対してどう向き合い、それをどう使っていけば、自分を知り他者と適切につながっていけるのでしょう。その答えを現在まで模索し続けています。
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専門分野の面白さはどんなところですか
特に「ノート教育」と「読書教育」、また「俳句の授業」の研究に関心をもって取り組んでいます。どれも国語教育でその基礎力を育むことにより、他教科ばかりでなく生涯にわたる学びを支えていくことができます。
子ども達が、ノートづくりで学びを構築したり、読書の魅力を探求しながら自分の世界を広げたり、また俳句の授業で自分の思いに「ぴったり」とくる言葉を探し当てて目を輝やかせたりする――そのような学びに、理論と実践の両面から少しでも貢献できることが、研究のモチベーションとなっています。

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ゼミの進め方や特徴などを教えてください
学生一人一人の「考えてみたい、やってみたい」を出発点に、国語教育の在り方を、歴史的背景を確認しながら楽しく学んでいきます。日常生活で当たり前のように使われる言葉は、視点を変えると多様な学びの可能性が広がっています。それを実感するために、文献調査だけでなく、俳句創作やブックトークなど様々な言語活動に取り組むほか、子ども達を対象としたワークショップの企画・運営にチャレンジします。その上で「では、その学びを学校教育でどう創っていくか」を探究していきます。
また、そうした学びの過程で、リサーチスキル(疑問に思ったことを自分の力で調べられる力)を高めながら、学生一人一人の「自立して思考する力」を育んでいきたいと考えています。

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学びが社会に出てどのように役に立つかを教えてください
学校教育の現場では、学び続ける教師の在り方が課題の一つとなっています。そこでは教師自身が課題を見つけ、その答えを模索し続ける態度が不可欠です。そのために、本学で身に付けた「自立して思考する力」は大いに役立つことでしょう。また、「言葉の学び」を創る楽しさを実感した体験は、学校現場で、自らの個性を生かしつつ新たな授業開発にチャレンジする土台となるはずです。
出会った子ども達とともに、ぜひ教室という現場で、自分の力で、授業を創る楽しさや醍醐味を味わってほしいと思います。
