インタビュー

幼児教育学科

子どものニーズに合わせて対応する力を身につけて欲しい
松本 理沙 准教授

Interview

先生の専門の学問分野はどのような学問ですか

社会福祉学では、社会生活を送るうえで生きづらさを抱える人たちについて、その生きづらさが生じる背景を知り、どのような制度や実践があれば生きづらさが軽減されるのか、その制度や実践はどのような場面で効果が現れるのか等を考えていきます。

対象が幅広い学問でありますが、私はこれまで、「きょうだい」(障害のある兄弟姉妹がいる人)に対するサポートのあり方について、研究してきました。大人のきょうだいを対象としたピアサポートグループや、子どものきょうだいを対象としたレクリエーション企画の運営等にも携わり、実践のあり方についても考えてきました。

その経験を活かし、現在は、きょうだいに関する事業だけでなく、ヤングケアラー・ケアラーに関する事業等にも携わっています。

松本 理沙 准教授

Interview

ゼミの進め方や特徴などを教えてください

松本ゼミの学生には、保育・教育・福祉等に関する課題の中から、自分の好きな研究テーマを設定し、取り組んでもらいます。その中で、自分の研究テーマと様々な家庭環境から生じる課題とを結び付けて考えてもらいます。在学中だけでなく、将来働き始めてからも必要となる知識や考え方を身につけてもらえるような指導を心がけています。

私が関わる団体が主催するイベントに参加してもらったり、児童福祉施設や児童相談所等の見学を行うこともあります。教室内だけでは得られない学びも提供できるようにしています。

松本 理沙 准教授

Interview

地域の課題と学びがどのようにつながっているかを教えてください

子ども教育学科の卒業生の多くは、保育・教育・福祉の現場で活躍しています。大学での学びは、それぞれの地域の保育・教育・福祉の現場で活かされています。

職業として選択していなくても、保育・教育・福祉に関する知識は、社会生活の中で役に立つ場面は多くあります。

先日、松本ゼミの卒業生が大学に来てくれて、これから児童福祉施設等での実習を行う学生に対し、学生の時の実習や、現在勤める児童養護施設の仕事での経験について、語ってくれました。学生が抱えていた実習に対する不安を和らげたり、児童養護施設での仕事をイメージしやすくなるように、丁寧に話してくれていました。

経験を重ねて成長した彼女たちを見て、頼もしく、誇りに思います。

松本 理沙 准教授

Interview

学びが社会に出てどのように役に立つかを教えてください

保育・教育・福祉の現場では、目の前の子どもだけでなく、背景にある「家族」についても考える必要があります。子どもの置かれている家庭環境は様々です。中には、虐待を受けている子ども、貧困家庭の子ども、ひとり親家庭の子ども、障害や病気のある子ども、家族のケアをしている子ども、社会的養護を必要とする子どもなど、様々な状況の子どもたちがいます。

学生の時に、様々な家庭環境について学びを深めていくことで、実際に出会った時の対応方法が分かり、子どもにとっての生きづらさが軽減される可能性が高まります。

Interview

大学生に学んでほしいこと、アドバイスなどをお願いします

大学での学びを通して、子どもに寄り添い、子どものニーズに合わせて対応する力を身につけて欲しいと考えています。そのためには、様々な経験を重ね、視野を広げることが求められます。

大学では、教室内の講義だけでなく、実習やアルバイト、ボランティアなど、様々なことに取り組み、経験を重ねてもらえると良いと思います。